【SA17日】 ラムサール条約に登録されているSA州クーロン国立公園が、「生態系の崩壊」に直面していると、保護団体が警鐘を鳴らしている。有毒な藻類の異常繁殖が原因で、渡り鳥や漁業への影響が懸念されている。ラムサール条約は、湿地の保全と持続可能な利用を目的とした国際条約。
保護団体によると、クーロン国立公園の湿地帯は、有害な藻の異常繁殖により「荒れ地」となるリスクにさらされており、すでに「限界点」に達しているという。塩分を含んだ浅いラグーンは、州南東部の海岸沿いに約130キロにわたって広がっており、1970年代以降、さまざまな環境圧力にさらされてきたが、今年の藻類の繁殖が「最後の一撃」になる可能性があると訴えている。
SA州政府もまた、湿地帯の将来について「深刻な懸念」を表明。クローズSA州副首相代理は、「この地域は長い間、危機的状況にあった」とした上で、今回の藻類の繁殖がクーロンの生態系に永久的な変化をもたらすかどうかは「まだ不確かだ」とコメントした。
藻類の異常繁殖により、3月以降、SA州では漁業、水産業、観光業に影響が及んでいる。5月末にはマレー川河口から北部のラグーンにまで広がり、カニや魚など、数千の生物が死滅している。
クーロン環境トラストのソベルズ博士は、「私たちは生態系の崩壊に直面している」とし、「漁師が生計を立てられる可能性が危ぶまれている」と述べた。さらに、現在のような生態系の崩壊が続けば、国際的な評価の低下につながる可能性が高いとの見方を示した。
一方、連邦政府の環境省広報担当者は、「条約締結国として、登録された湿地を維持する義務があり、現場の管理責任を負うSA州政府は、有毒藻類が生態系に影響を及ぼしていると判断すれば、連邦政府に通知する必要はある」と述べた。
ソース:news.com.au-Algal bloom leaves Coorong facing ‘ecological collapse’, advocates warn