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命を救う遺伝検査が生命保険の足かせに

【ACT23日】   乳がんなどの遺伝検査は命を救う可能性のある素晴らしい検査である一方、生命保険に加入する際にリスク要因になることもある。連邦政府は、障害差別法の変更を検討している。

メグ・ハーマンさん(24)は、2020年に母親が乳がんの診断を受けたことで自らも遺伝検査を受けた。その結果、ハーマンさんも母親同様にBRCA2遺伝子を持ち、生涯で乳がんを発症する可能性は70パーセント、さらに卵巣がん、すい臓がん、皮膚がんを発症する可能性も高いとわかった。ハーマンさんは予防策として両乳房切除手術を受け、乳がんを発症する可能性は95パーセント減少したが、保険会社はハーマンさんの保険加入を拒否、または上限を定めることも可能だ。

ハーマンさんは「BRCA2遺伝子を持つ私は、補償額50万ドル以上の生命保険に加入できない。予防措置はすべてとり、他の人よりも乳がんになる可能性も少ないだろうに悔しい」「喫煙者は私より高い保険に加入できる」と苛立ちを示した。

毎年、国内でおよそ150万人が遺伝検査を受けると見積もられる。公衆衛生とゲノミクスを研究するジェーン・ティラー医師は、「生命保険に加入できないリスクから、命を救う検査を避ける人が多い」「経済的影響を懸念して、多くの人は研究にも関わりたくない」と話す。遺伝検査を受ける前に、遺伝変種が見つかった際に生命保険に及ぼす影響の可能性について、専門のカウンセラーと協議することが奨励される。保険加入は検査前が奨励されるが、当時大学生だったハーマンさんにとって金銭的に難しかった。

2019年、生命保険会社らは補償額50万ドル未満の保険で遺伝検査結果の考慮を禁止した。生命保険業者評議会(CALI)のクリスティン・カルピットCEOは、「遺伝検査を受け、健康を管理する情報を取得する誰も拒否したくない」「今や遺伝検査は珍しくない。政府による規制に移行したい」と話し、法制化された規制を支持するとした。

ソース:abc.net.au – Genetic testing saves lives but can lead to discrimination when it comes to life insurance

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