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持続可能な耐性ブドウ ワイン生産者が注目

【VIC19日】  世界でワイン消費が減少傾向にある中、オーストラリアのワイン生産者や研究者は、塩害や高温、干ばつなどに強い持続可能なブドウに注目している。あるVIC州のワイン生産者は耐性ブドウを使うことで化学薬品の使用を完全に排除し、独自ブランドの存在感を高めようとしている。

VIC州サンレイジア(Sunraysia)地域では、ベト病やうどんこ病に耐性があるブドウの栽培が進んでいる。同地域でブドウを栽培するカスルク氏は、8年前にオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)と業界団体ワイン・オーストラリアが主催したイベントで、耐性ブドウから作られたワインを味わったことをきっかけに、自身も化学薬品を使わないブドウの栽培に取り組んできた。

カスルク氏は、「正直なところ、一部のワインは美味しいとはいえなかったが、一部には素晴らしいものもあった」と述べ、この経験をきっかけに、赤3種と白3種の6種の栽培を始めたと説明。同氏が生産した耐性ブドウは、ミルデュラ近郊のMonak Wine Co.でワインに加工されている。同社のヒーリー社長によると、耐性ブドウから作られるワインは国内外で好評を得ているという。また、合成スプレーを使用しないため、持続可能性認証が取得しやすく、業界において「真のゲームチェンジャー」になるとみている。

ワイン・オーストラリアの研究・イノベーション部門のスミス氏は耐性ブドウについて、「持続可能性という点で非常に高い成果を上げている」とし、風味についても「素晴らしい」と評価した。また、今後は塩害耐性、高温・乾燥条件における生存性など、他の特性も組み込んでいきたいと意気込みを述べた。

 

ソース:news.com.au-Sunraysia wine grape grower’s chemical-free approach a point of difference in tight market

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